シリーズ「おしごとのおはなし」

子どもたちに人気の職業をテーマにした読物シリーズ「おしごとのおはなし」第2期全10冊が刊行されました。
物語をたのしみながら、テーマとなっている職業のリアルなおしごとの様子にふれることのできる、低学年から中学年の子どもたちにぴったりのシリーズです。

本文は80ページ弱、大きな文字でほぼ毎ページ挿絵があり、巻末には各職業の豆知識を紹介するおまけページもついています。
学校図書館などにセットでならべておいたら、子どもたちが自分のなりたい職業の本を見つけて、借りていってくれるのではないでしょうか。また、大人が読んでも「へえ、そうなんだ」と思うような、その職業の意外な一面を描いた作品も多いので、興味を惹かれる職業の本があったら、ぜひ手に取ってみてください。

というわけで以下、シリーズ「おしごとのおはなし」第1期・第2期あわせて全20冊の紹介です。

第2期

パイロット『パイロットのたまご』(吉野万理子)

小学2年生の雄大は、飛行機が大好き。まだ、乗ったことはないけれど。
雄大には、航空会社に入社した幸也といういとこがいる。メールで様子を教えてくれたりするところによると、パイロットになっても、飛行機の操縦をするまでには、とても時間がかかるみたいだ。
そうしているうちに、雄大は5年生になっていて……。

まんが家『ゆめはまんが家!』(小林深雪)

わたし、天海ゆめ。小学3年生。9さいになったばかり。将来のゆめはまんが家になること。
そして、なんと、いま、プロのまんが家さんのアシスタントをしているの!
小学3年生なのに、なぜかって? そのわけは、ある日の放課後にさかのぼるんだ。

すきなことをしごとにするってどういうこと?
大人気シリーズ「泣いちゃいそうだよ」の小林深雪がおくる、おしごとのおはなし。

お笑い芸人『なんでやねーん!』(安田夏菜)

さあ、これから給食!  ぼくは手あらいソングに合わせて、一生けんめい手を洗うのが大好き。すると、いきなり後ろから、「マジメか!」と言われてバーンと背中をたたかれた。チャラチャラしたふんいきのクラスメイト、拓斗だ。たたいたばかりか、拓斗は、コンビを組んで、ふたりで未来のお笑い芸人をめざそうって言い出した。

お笑い芸人って、明るいお調子者なら誰でもできるんじゃないの? そんなふうに考えていたのなら、大間違い! 芸人さんたちのかげの努力が楽しく読めて理解できる物語です。

保育士『なないろランドのたからもの』(井上林子)

ななは小学3年生。放課後は、学童保育「レインボークラブ」で、となりの保育園の子どもたちと過ごしている。
小さい子はかわいくて大好きだけど、ににちゃんという子は、お友達の絵をやぶいちゃったり、大泣きしたり、とってもたいへん。なにかできることはないかな……?

看護師『すてきな3K』(いとうみく)

「ママは通訳の仕事をしているの」。花梨ちゃんが鼻高々に言うと、友だちのりっこが、「希子のお母さんのほうがずーっとすごいじゃん」って言い返した。うちのお母さんは看護師さん。言い返されて真っ赤な顔をして席を立ってしまった花梨ちゃんに、わたしは次の日、こんなことを言われたんだ。
「看護師ってー、3Kって言われてるんだよねー」
「3K」の意味は聞けなかったけど、悲しくて、悔しくて……。でも、お父さんは、「お母さんが看護師でよかったって思ってるよ」って言うの。お父さんは、その意味をわたしに教えるために、お母さんが働いている病院に連れて行ってくれたんだ――。

新聞記者『新聞記者は、せいぎの味方?』(みうらかれん)

ぼくは堀江誠、小学3年生。クラスメイトの優等生、徳永仁志くんは、新聞記者になって、正義のための仕事をするのがゆめなんだって。
でも、お父さんが新聞記者だから、ぼくは知ってる。新聞記者なんて、人を傷つけるし、人にきらわれるし、そんなにいい仕事じゃない。
なのに、徳永くんは、「堀江くん、学級新聞をいっしょに作ろう!」なんて、目をキラキラさせて言ってきて……。

美容師『かのこと小鳥の美容院』(市川朔久子)

おかあさんが入院してしまった、かのこは、長い髪の毛がひとりではうまくまとめらなくて、くずれたポニーテールで下を向きながら学校に行きました。うしろの席の男子にも、髪のことでいじわるをいわれてしまい、涙が出そうになります。
そんな中、小鳥がついた看板のお店から、すてきな女性があらわれて…。

スクールカウンセラー『レインボールームのエマ』(戸森しるこ)

レインボールームは、小学校の中にある、相談室とよばれている場所のこと。あか、オレンジ、きいろ、みどり、あお、むらさき。元気な子、明るい子、やさしい子、正直な子、まじめな子、ひょうきんな子……。虹みたいに、いろんな色の子たちが集まるところ。
レインボールームの入口今日子さんのところに、いろいろな子どもたちが相談にやってきます。

どうして自分を好きになれないのかな? どうして親とうまくいかないのかな? いろいろな悩みに相談室の入口先生はヒントをくれます!

声優『声優さんっていいな』(如月かずさ)

アニメ好きの内気な女の子・ネムは、魔法学校が舞台のアニメ「リリカルマジカルアカデミア」が大好きで、明るく社交的な主役のリリィみたいになりたい、とひそかに思っています。そんなネムがたまたま助けたお姉さんは、誰かとそっくりな声をしていて…。

プロ野球選手『フルスイング!』(くすのきしげのり)

あの速いボールを打てるようになりたい! 野球にめざめた少年が、プロ野球選手をめざすようになるまでの物語!

第1期

サッカー選手『走れ! みらいのエースストライカー』(吉野万理子)

進太はサッカー大好き男子。あこがれのプロサッカー選手、栗山輝成に会って、裏の顔と強さのヒミツを目撃! プロになる秘訣を学ぶ。

獣医さん『めざせ! 動物のお医者さん』(きむらゆういち)

ぼく、先生みたいな獣医さんになりたいんです!
動物病院の新人獣医さんとのふれあいを通して、獣医さんの仕事と、獣医さんにとってたいせつなことを知っていく物語。

コックさん『のはらキッチンへぜひどうぞ』(まはら三桃)

さやかは、洋食のレストラン〈のはらキッチン〉のひとり娘です。
〈のはらキッチン〉は月に二回、キッチンカーで総合病院に出かけます。その病院に入院したことのあるお父さんが、かんじゃさんたちにおいしい料理を食べて元気になってほしいとはじめたサービスなんだけど、ん? さやかの知っているメニューだけど、料理の方法がちがうみたい……。
いろいろな立場にいる人をニッコリ笑顔にしてくれる、おいしい、おいしい料理たち。コックさんは、食べてくれる人が、いまどんな気持ちでいるのか想像しながら、今日も腕をふるっているのです!

花屋さん『菜乃のポケット』(村上しいこ)

菜乃ちゃんのお家は花屋さんです。ある日曜の朝、布団の中でごろごろしていると、妖精チョコットが現れました。
「菜乃ちゃんの家、せっかく花屋さんなんだから、おきて、お店のお手伝いとかしようよ」
チョコットは妖精学校の修業で来ていました。日曜日に部屋でごろごろしている子を、充実した生活をするように導くのがチョコットの役目だったのです。
菜乃ちゃんは、おとうさんといっしょにお葬式に、おかあさんといっしょにピアノの発表会についていくことになりました。
お花はどんなふうに役立っているのかな? 菜乃ちゃんがお手伝いをしながら発見したことって?

お医者さん『ママはお医者さん』(あさのさつこ)

美生は、患者さんに愛されているお医者さんのママが大好き。ママの姿からお医者さんがどんなに大切な仕事かわかるようになる。

小学校の先生『三年二組、みんなよい子です!』(くすのきしげのり)

おとなしい女の子、春野萌美が新しく担任となった滝野豊先生に出会い、少しずつ自分のいいところや、友達のいいところに気づいていくお話。先生のおかげで、サッカーの楽しさを知った萌美は、先生のように、みんなのいいところを見つけられる人になりたいと願います。

消防士『ひみつのとっくん』(佐川芳枝)

小学3年生の翔は、リレーが原因でいじめられ、学校に行きたくなくなってしまった。
ある日、となりに住んでいる消防士のカズさんと会い、文鳥のピースケの世話を頼まれる。カズさんは、大切なことをたくさん教えてくれる。速く走るようになれるコツ、からだをきたえる方法、もう一度学校に行くきっかけ…。
翔が一生懸命頑張った運動会の日も、カズさんは見に来てくれると行っていたのだが、結局現れなくて…。

電車の運転士『おしいれ電車』(最上一平)

ここに入ると、会えるんだ。運転士だったお父さんに。
電車が大好きな小学生・一路の、亡くなったお父さんの思い出をめぐる物語。

警察官『交番のヒーロー』(如月かずさ)

小さい頃にたくさん遊んでくれた近所のマモ兄ちゃんが、交番のおまわりさんになった。マモ兄ちゃんも特撮ヒーロー番組の警察官みたいに、逃げる犯人をパトカーにのって猛スピードで追いかけたり、拳銃をかまえて「動くな、警察だ!」とか言ったりするんだろうな、と思っていたのに、マモ兄ちゃんの仕事は、そういうのとは違うみたいで…。

ねえ、おまわりさんって、カッコいい仕事…だよね?

パティシエ『父さんはドラゴンパティシエ』(柏葉幸子)

ネットで話題になっている、すっごく腕のいい「ドラゴン・パティシエ」って何者?
うちの父さんは、『パティスリー・ウフ』のパティシエだけど、「パティシエっていうより、ラーメン屋のおじさんってかんじ」なんて友だちに言われちゃっている。ドラゴン・パティシエではなさそうだけど、父さんのつくる生クリームは絶品で、いちごのショートケーキは、うちの一番人気なんだ。

ある日の午後、まっくらな空がむらさき色に光ったと思ったら、いなずまがぼくと父さんの前に落ちてきた! 白いけむりがあがって、そこにいたのは、なんとつばさのある竜だったんだ!!